インド(IT留学)

インドになんとなく留学してみたいと思っていた。 でもどうすればいいのかわからず、オーストラリア滞在中に大学で情報を集めてみたりしたものの情報らしい情報はまったく手に入らず。 ネットで調べると日本のエージェントを通すと留学できるようだが、費用として100万円以上かかる。インドの物価指数で考えるとありえない。

ニュージーランドに滞在していたとき、繁華街をフラフラしていると布教活動をしているインド人女性に声をかけられたので、ちょっと質問してみた。

「インドにIT留学したいんだけれど、どうすればいいか知ってる?」 「インドには学校がいっぱいあるから誰でも入校できるよ」 「その後、インドで仕事したいんだけど?」 「日本人のコネクションを持ちたいインド人はいっぱいいるからすぐに就職できると思うけれど」

どうやら行ってしまえばなんとかなるようだ。 日本へ帰国しそれでもインド留学について調べて見る。 日本のエージェントを通して留学した男性のブログを発見しメールを出してみた。 すぐに返事が来て「メールだと面倒なのでここに電話してください」との簡素な一文が添えてある。

日本に帰国したばかりで携帯を所持していなくて父親の携帯を借りて電話する。 まだ彼は仕事中だったらしく、掛け直してくれることになった。 数分後、電話にでて留学について話を聞く。内容をまとめると

IT系の学校はたくさんあるから簡単に留学できる ・就職活動はwebサイトの「monster」で行う

ニュージーランドで出会ったインド人女性の言っていたことは本当だったんだ。 あとはビザとチケットを用意すれば日本での準備は完了だ。

バンガロール

IT系の学校がたくさんあるとは聞いているが、どこにあるのか全くわからない。 日本にいたときインドのIT学校へメールを送ったがどれも届いていないらしく返事がない。

しょうがないので旅行しようと思い、デイー、ジャイプル、を周っているうちに ある宿で学生のインド人男性がたくさん泊まっていた。 話を聞くとインターンシップをしているそうだ。

「どっかいいITの学校はないか」 と尋ねたらいくつかの学校を紙に書いて渡してくれた。 他のインド人学生にその紙を見せると 「まぁここがいいんじゃない?入学試験もないし」 ということでインドのシリコンバレーと呼ばれているバンガロールにあるNIITへ行くことにした。

NIIT

この学校がバンガロールにあるのはわかっているが詳しい場所が分からない。 道行く人に聞くが誰も知らないようだ。 目についた大学の校内に入って学生に聞く。 そこにいた大学生全員が 「あっちだ」 と指をさして教えてくれるところはすぐ隣の建物だった。

建物に入り入学したい旨を伝えると担当の若い女性が説明してくれた。 「明日から授業が始まるから2万ルピーをもってきて」 「今すぐ?用意できるけれど、そもそも私はマルチビザなのだけれど大丈夫なの?」 「大丈夫」 ということで2万ルピーを両替してきた。 契約書を読むが、いまいち何を書いてるのかわからない。 担当の女性へ質問するがめんどくさそうに 「とりあえずサインしろ」 といわれて、サインしてしまった。 まあこの後、問題はなかったんだけども。

次の日、授業内容の説明をされる。 このコースは「99days」と呼ばれ3ヶ月で単位を取得できるものだ。 インドの就職活動ではコースを受講することで得られる単位数 が重要になる。 例えばプログラミングコースだけ受講すると2単位だけもらえる。

ある企業の採用基準が6単位以上なら、 プログラミング(2単位) データベース(2単位) ネットワーク(2単位) と3科目以上、受講しなければならない。 これはインド国内でしか通用しないので日本に帰っても何の意味がない。

外国人の生徒は、私以外にモンゴル人が2人だけだった。 その2人は親がインドに赴任しており、もうすぐモンゴルに帰るので就職のためにこの学校にきたそうだ。

とりあえずインド人はよくしゃべる。 教師から技術的な質問をされるとみんな1分以上話し出す。 わからないといって発言しなかったのは私とモンゴル人だけだった。

授業

前職がIT企業だったため初日のJavaの授業が楽勝だった。 何日か授業を受けているとあることに気がついた。 教師は毎回30分ぐらい遅れて授業始める。 1コマ90分だが実質60分ぐらいしか授業をやっていない。 なのに誰も文句言わない。 まぁ考えてみれば日本の大学もそんなものかしれない。 授業の終了が1分でも遅れるとみんな文句を言い出すのはまいった。 なんでこんなにやる気がないんだろう。

ある日、学校へ行くと教師から「宿題をやってきたか」と質問。 ほとんどの生徒はやってきていないようだ。 そしたらこの時間に宿題を忘れていってその日の授業がなくなってしまった。 バス代と時間の無駄だ。

週に5日の授業のはずが実質2日しか行われなかったりする。 また政情が不安定で戒厳令が発令されると町全体の機能がストップしてバス、車、お店がすべて停止する。

あと1ヶ月、授業残っていたのだけれども、いつ授業が再開されるのかわからない。 そしてやる気のない生徒、もう知っている知識を英語で学んでも時間の無駄なので意味がないと判断し学校に行くのをやめて、旅を再開した。

あれほど経験したかったインド留学。 あまりたいしたことなかった。 学校では日本人は自分一人だけ。留学する人ならば誰もが憧れる生活。 唯一の日本人なので学校で私のこと知らないものは誰もいない 有名人だからみんな仲良くしてくれる。 なのに 日本語の全くない生活は想像以上にストレスで、宿で日本語で独り言しゃべるくらい精神的に参ってしまった。

これでやりたいこととりあえず経験したので、このあと日本に帰り就職活動を始めることにした。

そして、今に至る